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Basic knowledge 国民健康保険のしくみ

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国民健康保険のしくみ

●都道府県と市区町村が運営する地域保険

国民健康保険はほかの公的医療保険に加入する人を除き、その地域に住む人すべてが加入する医療保険です。国籍は不問で、日本に住むすべての人が加入することが国民健康保険法により義務付けられています。

健康保険や共済組合等の資格を喪失したときは、自動的に国民健康保険に加入する義務が発生します。退職時に会社へ保険証を返却し、退職してから役所で国民健康保険の加入手続きをするのはこのためです。

日本全体を一つのテーブルに例えると、テーブルにのった大小さまざまな茶碗や皿が健康保険組合や協会けんぽ、共済組合などに当たります。1961(昭和36)年の国民皆保険前は、テーブル上に直接のっている人々は公的医療保険に加入していませんでした。

このような人々を強制的に医療保険に加入させるしくみが国民健康保険です。健康保険が会社など職場を通じて加入するため、「被用者保険」と呼ばれるのに対し、国民健康保険は「地域保険」と呼ばれます。

●国民健康保険と健康保険の違い

国民健康保険に加入している人とは、農林水産業従事者や自営業者、小規模事業所の従業員、高齢者やその家族などです。国民健康保険には被扶養者という区分はなく、全員が被保険者です。

全員が被保険者ですので、全員に何らかの保険料負担があります。これは被扶養者の保険料負担がなく、保険料を事業主と折半して負担する被用者保険との大きな違いの一つです。

保険料は世帯ごとの定額や人数、負担能力による額を組み合わせた計算方法がとられており、住んでいる市区町村によって保険料率に差異があります。

現役をリタイアした退職者や高齢者は国民健康保険に加入しますので、国民健康保険は高齢者の加入割合が非常に高くなっています。また、保険料は全額被保険者(法的には世帯主)負担で、保険料が会社の給与から自動的に天引きされる健康保険とは異なります。しかし、地域住民各世帯の所得捕捉が難しいことなどから、国民健康保険の財政事情は厳しくなっています。

このため、2018(平成30)年度からは都道府県が財政運営の責任主体となり、制度の安定化を図っています。

2003(平成15)年度から国民健康保険と健康保険の負担割合や高額療養費の基準額が同一になりました。医療給付の面では、社会保険全体で原則同一になったといえます。

給付面での違いに、国民健康保険には所得保障としての現金給付、つまり傷病手当金と出産手当金が任意給付になっていることが挙げられます。さらに、出産育児一時金や葬祭費も各国民健康保険ごとにその実施が委ねられています。

運営上の例外に国民健康保険組合があります。国民健康保険の中でも一定地域内の同業者により運営される保険者で、健康保険組合に近い独立した組織です。

2022.04.01 (保坂)

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