介護報酬と支給限度額
●介護報酬
介護保険で利用できるサービス費用の額の算定基準を介護報酬といいます。医療保険制度における診療報酬に相当するもので、表示には単位制(1単位10円で換算)が用いられ、2000(平成12)年4月の介護保険施行から3年ごとに改定されることとなっています。各市区町村により、またサービスの種類により1単位は10円~11.40円に換算されています。
●現物支給のサービスの支給限度
介護保険の保険給付は、利用者に対する介護サービスという現物を給付する方式であり、これを「現物給付」といいます。利用者はサービス利用時にサービス費用の1割(一定以上の所得のある人は2割または3割)を負担します。残りを保険者である市区町村が事業者に支払います。
注意したいのは、居宅介護において、利用できるサービスの限度が決められているということです。利用したサービス費用の合計額つまり介護報酬の合計額については、要介護度ごとに上限額が決められています。これを区分支給限度額といいます。合計額が区分支給限度額を超えた場合には、超えた分について利用者が全額を自己負担しなければなりません。
特定福祉用具購入の限度額は1年間で10万円、住宅改修費の限度額は20万円となっています。この2つのサービスについては、先に購入額、改修費の全額を支払い、後から介護保険の給付分を払い戻してもらうという「償還払い」の方式がとられています。
【支給限度基準額(1単位を10円と換算)】
要介護(要支援)度 | 状況 | 支給限度基準額 |
---|---|---|
要支援1 | 社会的支援を要する。 身の回りの世話の一部に何らかの介助を必要とする。 複雑な動作に何らかの支えを必要とする。 |
50,320円 |
要支援2 | 要介護1相当の者のうち、改善可能性の高い廃用性症候群の人を対象に、 追加項目、特記事項、主治医意見書、参考指標の内容から審査され、判定される。 |
105,310円 |
要介護1 | 部分的支援を要する身の回りの世話に何らかの介助を必要とする。 複雑な動作、移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。 問題行動や理解の低下がみられることがある。 |
167,650円 |
要介護2 | 軽度の介護を要する身の回りの世話や排泄、食事に何らかの介助を必要とする。 複雑な動作、移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。 問題行動や理解の低下がみられることがある。 |
197,050円 |
要介護3 | 中等度の介護を要する身の回りの世話、複雑な動作、排泄が自分ひとりでできない。 移動の動作が自分でできないことがある。 いくつかの問題行動や理解の低下が見られることがある。 |
270,480円 |
要介護4 | 重度の介護を要する身の回りの世話、複雑な動作、排泄がほとんどできない。 移動の動作が自分ひとりではできない。 多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。 |
309,380円 |
要介護5 | 最重度の介護を要する身の回りの世話、複雑な動作、排泄や食事がほとんどできない。 移動の動作が自分ひとりではできない。 多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられる。 |
362,170円 |
2022.04.01 (保坂)