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Basic knowledge 労働保険の全体像

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労働保険の全体像

●労災保険と雇用保険

労働保険は、労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険とを総称した言い方です。その給付対象と管轄部署は上図のとおりです。

なお、労基署・ハローワークの所在地は別々に離れて置かれていることが多く、またそれぞれの担当区域も同一とは限りません。問合せ・相談の際には注意しましょう。

●労働保険料

保険料については、原則として両保険を一体のものとして毎年4月から翌3月までの1年度を単位に算出・納付しています。その手続きは一般的に、「労働保険の年度更新」といい、毎年7月10日までに申告することになっています。

新年度の見込み賃金総額により見込みの保険料額を仮納付するとともに、前年度については実支払い賃金総額により保険料を確定し、前年の仮納付分と相殺する方式です。また、保険料が高額の場合は3回に分割払いができます。この点、健康保険等の社会保険料とはまったく異なるシステムとなっています。


【労災保険料率】

業種により2.5~88/1000(事業主全額負担、被保険者負担なし)

【雇用保険料率】

事業の種類 令和4年4月~9月 令和4年10月~
一般の事業 労働者:3/1000
事業主:6.5/1000
(うち二事業 3.5/1000)
全 体:9.5/1000
労働者:5/1000
事業主:8.5/1000
(うち二事業 3.5/1000)
全 体:13.5/1000
農林水産および清酒製造業 労働者:4/1000
事業主:7.5/1000
(うち二事業 3.5/1000)
全 体:11.5/1000
労働者:6/1000
事業主:9.5/1000
(うち二事業 3.5/1000)
全 体:15.5/1000
建設業 労働者:4/1000
事業主:8.5/1000
(うち二事業 4.5/1000)
全 体:12.5/1000
労働者:6/1000
事業主:10.5/1000
(うち二事業 4.5/1000)
全 体:16.5/1000

表は左右にスクロールできます。

また、雇用保険料には労働者負担があります。他方、労災保険料は全額事業主負担です。これは、労災予防・安全衛生・職場環境整備等に関する事項は雇用者の責務だからです。

●労災保険

労災保険の給付は大きく3つです。

項目 保険対象 備考
業務災害 治療・休業・障害・死亡(遺族)・介護等の給付 社会保険における医療・年金・介護に対応するもの
通勤災害
二次健康診断等 一次健康診断で異常所見 脳・心臓疾患予防が目的

表は左右にスクロールできます。

社会保険における給付対象は「業務外における・・・」と定義されており、業務上のケガ・疾病等についてはこの労災保険により給付が行われます。

「業務上・通勤」であるかどうかの判断をはじめ、担当部局も異なることから、事務手続きに関しては社会保険とはまったく別だと理解してよいでしょう。


なお、保険給付以外の事業として社会復帰促進等事業もあります。労災病院の運営や被災労働者及びその遺族に対する各種の上乗せ給付、社会復帰の促進、適正な労働条件の推進等の事業を行っています。

2022.04.01 (保坂)

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