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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2021年4月号掲載

オンラインで失敗しないために!リモートワーク時のビジネスマナー

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4月号から6月号までの3回で「仕事や生活に役立てるミニ知識」をご紹介していきます。
第1回はコロナ禍をきっかけに、広まりつつあるリモートワークについて。
オンラインでは、これまでのような対面でのコミュニケーションとは違うマナーやコツが必要です。
ポイントをつかむことで、リモートワークでも仕事の生産性が向上するでしょう。

リモートワークとは?メリットは?

リモートワークとは、「遠く離れて仕事をする」こと。職場ではなく、自宅やワーキングスペースなどを利用する働き方です。もとは、デザイナーやプログラマーなど、一人で完結できる業務を行う人たちが、導入しやすいといわれていました。

いまでは、インターネットを始めとして、WEB会議システムやチャットなどの「ICT(情報通信技術)ツール」の普及により、さまざまな職種や業務で活用されています。

リモートワーク導入のメリットは、「場所や時間にとらわれずに、柔軟な働き方ができる」ことです。働く場所や時間帯を自由に選択でき、通勤の負担がなくなれば、ストレスからの解放や、居住地の選択肢も増えることでしょう。

また、仕事と育児・介護の両立など、離職することなく仕事を続けられるため、ワーク・ライフ・バランスの向上にも貢献する働き方です。会社側にとっても、優秀な人材の確保につながるため、導入のメリットは少なくありません。

column リモートワークは在宅だけではない

リモートワークというと、在宅勤務を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、パソコンやタブレット、インターネット環境があれば、仕事場所は柔軟に選ぶことは可能です。

リモートワークでしばしば問題になるのが、インターネットの通信回線や速度、家族やペットがいて集中できないなどの問題です。特に、オンライン会議の際につながらなかったり、会議の途中で回線が切れてしまうなどのトラブルを経験した人は少なくないでしょう。

そういったときに検討したいのが、インターネットや電源など、リモートワーク向けの環境が整った施設です。コワーキングスペースやホテルのレンタルスペース、カラオケチェーンなど、仕事に利用できそうな施設が続々と登場しています。別料金で、ドリンクや食事のメニューを用意してくれるところもあります。

業務内容に応じて、こういった場所を活用すれば、仕事の効率もアップ!?

①メールのマナーや注意点は?

リモートワークでは、オフィス勤務のとき以上に、メールを利用するシーンは多くなるでしょう。対面であれば、口頭で説明すれば済むものも、リモートワークでは文章で相手に理解してもらわなければなりません。

まず大切なのは、件名です。件名を見れば、メールの内容がある程度わかるよう「○月○日のミーティングの議題について」など、具体的かつ明確に記載します。

本文についても、「結論を最初に書く」「箇条書きを利用して要旨をまとめる」など、読む人に時間を取らせない配慮を持って、メールを作成しましょう。

送信する際には、相手がメールに目を通しやすい時間帯を意識します。取引先などでは、営業時間外に送信すると、受信トレイに埋もれてしまうことも。また、添付ファイルがある場合は、データ容量によっては受信できないこともあります。圧縮して送るか、「Dropbox」などのクラウドの、ストレージサービスを利用した方がよい場合もあります。

また、ビジネスメールは要件が伝わればいいと考えがちですが、対面の機会が減ると、人間関係も希薄になりがちに。あえて、世間話やねぎらいの言葉をメールに追加することも、リモートワークでのコミュニケーションに取り入れてみましょう。

②オンライン会議のマナーや注意点は?

リモートワークに欠かせないものが、「zoom(ズーム)」などのオンライン会議システムです。利用の際の注意点やマナーもさまざまですので、基本を押さえておきましょう。

● インターネットは有線LANがベター

オンライン会議の質は、通信環境や機材の使い方が適切かどうかで決まります。自宅では、インターネットを無線LANルーターでつないでいることが多いと思います。ただ、無線だと会議中に回線が途切れることも考えられるため、できればケーブルを使用した有線LANの方がよいでしょう。

● カメラとマイクは必須!

最近のパソコンは、たいていカメラやマイクが内蔵されていますが、付いていない場合は外付けのマイク付きカメラなどを準備します。また、より会議の質を高めるのなら、マイクとイヤホンがセットになった「ヘッドセット」がおすすめ。

在宅の場合や外出先でオンライン会議を行うときでも、ヘッドセットを使えば音声がもれず、相手の声も聞きやすくなります。また、マイクが口元に来るため声をしっかりと拾うことができ、他の会議参加者に自分の声が伝わりやすくなります。

● カメラの目線や顔の位置は?

リアルでの対面以上に、見た目にこだわることも大切です。リアルであれば、表情や仕草、声のトーンなど、自分をダイレクトに伝えることもできますが、オンライン会議では、基本的に上半身だけしか映りません。

それだけに、カメラを通じて相手に伝わる印象をよく考える必要があります。ポイントになるのは、カメラや目線の高さです。

カメラの高さは、基本的に目線と同じにします。特にノートパソコンでは、カメラが目線よりも低くなっていると、カメラを見下ろすような位置になりますから、机の上に台を置きその上にパソコンを乗せるなどして、目線とカメラの位置を合わせます。

表情も意識しましょう。「緊張感で顔がこわばっていないか」「目は微笑んでいるか」「口角が上がっているか」など、会議の前に自分をカメラで映し、チェックしてから会議に臨むようにすれば、好印象を与えられるでしょう。

● カメラに映る背景を意識する

在宅では、背景に何が映るのかも意識したいところ。私物や洗濯物など、生活感が出てしまうものは片付けるか、カメラの位置を調整して映らないようにします。片付けが難しければ、カーテンなどをバックにするか、背の高いパーテーションなどを準備しましょう。

また、WEB会議アプリやパソコンの性能によっては、デジタルで背景を変える機能が利用できることもあります。

● 5分前には機材の確認、入室は1分前でOK

会議の前に、パソコンのカメラやマイクのチェックを行い、会議が始まってから「映らない、聞こえない」ということのないようにしましょう。始まる1〜2分前には入室しておくと安心ですが、ホストが許可しないと入室できない場合は、その場を離れずに許可が出るのを待ちます。

● 発言しないときは音声をミュートに

特に大勢の人が参加するときには、自分が発言しないときには、音声を「ミュート」にして自分の声や周囲の音が入らないように配慮しましょう。ミュートにしておけば、物が落ちて大きな音が出ても他の参加者には聞こえません。

ただし、発言するときにはミュートの解除を忘れずに。解除し忘れて発言してしまったときには、お詫びを挟んで、最初から発言を再開するようにします。

②身だしなみにも意識を向ける

リモートワークを在宅で行う場合、どうしてもプライベートとの境目が曖昧になりがちに。特に服装については、ビジネスモードを意識したいものです。出勤しないからといって普段着や部屋着のままでは、ビジネスパーソンとしての資質を疑われてしまいます。

オンライン会議では、基本は対面のときと同様に考えましょう。スーツやクールビズスタイルなど、カジュアルすぎない服装を意識したいものです。

③電話のマナーや注意点は?

リモートワークでは、電話の必要なシーンは多々あると思います。基本的に携帯電話を利用することと思いますが、まず確認したいのが、仕事をする場所の電波の状態です。

大事な通話中に会話が途切れたりしないよう、在宅の場合なら電波のよく届く場所は事前に確認しておきましょう。また、子供やペットが泣き出したり、騒ぎ出したりした場合は、丁重なお詫びを入れてから通話を切り、落ち着いたところでかけ直すようにしましょう。

世の中がコロナ禍前のように、自由な移動や対面でのコミュニケーションが復活するには、もうしばらく時間がかかりそうです。とはいえ、リモートワークは将来的には普通の働き方になる可能性もあります。基本を押さえながら、自分自身の工夫やアイディアで、リモートワークの環境を整えてみましょう。

column リモートワーク中にケガ!労災は適用される?

リモートワークでも、労働災害(業務災害・通勤災害)が適用されます。業務災害では、会社の業務が原因でケガや病気になったときに、治療費や休業補償などを受けられますが、労災が適用されるのは、労働基準監督署が認定した場合のみです。

たとえば、外出時や自宅内での私的な用事で移動していて転んだなどのケガは、労災の適用にはなりません。実際に、リモートワークで労災が適用される事例は次のようなケースです。

「自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した事案。これは、業務行為に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害と認められる。」(厚生労働省「テレワーク導入ための労務管理等Q&A集」より)

在宅勤務の場合は、職場内でのケガなどよりも証明が難しいという問題があります。何かあったときのために、始業・就業をメールで報告するなど、労働時間を記録として残しておくことも必要でしょう。

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