公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会 Japan Association of Insurance and Financial Advisors

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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2022年2月号掲載

国際社会が掲げた共通目標 「SDGs」とは

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SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?毎日のように、さまざまなメディアで取り上げられています。SDGsとは何か、どのような背景で誕生したのか……。そして、一人ひとりが何に取り組むべきなのかを考えてみましょう。

SDGsとは?

SDGsは、「Sustainable Develop-ment Goals」の頭文字をとった略語で、日本語に訳すと、「持続可能な開発目標」という意味になります。

2015年9月に開催された国連のサミットにおいて、加盟国の全会一致で採択され、「2030アジェンダ」に記載された持続可能でよりよい世界を目指す国際的な目標です。

“持続可能”とは簡単に言えば「何かをし続けられる」こと。世界ではいま、貧困・気候変動・感染症などさまざまな課題や危機に直面しています。

そういった中でも、人々がいつまでも安定した暮らしを続けられるよう、世界中の人々が話し合い、課題の整理と解決方法を考えた結果、2030年までに達成しなければならない目標を、SDGsという具体的な目標として定めました。

SDGs(持続可能な開発目標)
の詳細

 
目標1(貧困) あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
目標2(飢餓) 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
目標3(保健) あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
目標4(教育) すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
目標5(ジェンダー) ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う。
目標6(水・衛生) すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
目標7(エネルギー) すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
目標8(経済成長と雇用) 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある 人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
目標9(インフラ、産業化、イノベーション) 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
目標10(不平等) 各国内及び各国間の不平等を是正する。
目標11(持続可能な都市) 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
目標12(持続可能な生産と消費) 持続可能な生産消費形態を確保する。
目標13(気候変動) 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
目標14(海洋資源) 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
目標15(陸上資源) 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
目標16(平和) 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
目標17(実施手段) 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

出典:外務省ホームページ 資料 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/000270935.pdf

誕生の背景は?

では、SDGsという目標はなぜ定められたのでしょうか。きっかけになったのは、「地球温暖化」と「格差拡大」の2つです。

地球温暖化は現実に進行しており、産業革命前の時代に比べて世界の気温は約1度上昇していると言われます。海水温の上昇により海水が膨張して体積が増えることや、氷河・氷山が融けることで、海水面が上昇する現象が始まっています。その影響で、一部の国では国土の水没危機に直面し、別の国へ移住するという事態にもなりました。

貧困による格差も深刻です。豊かな人のグループにはますます富が集まる一方で、貧しい人のグループでは、「子どもに満足な食事が与えられない」「病気になっても医者にかかれない」「教育も受けられず、仕事に就くことができないためにお金を稼げない」など、さまざまな困難に直面しています。このような危機感から、全世界共通の目標として定められたのがSDGsです。

SDGsは今始まったことではない?

SDGsには、「MDGs(ミレニアム開発目標)」という前身があります。2000年9月の国連のサミットで採択されたもので、国連ミレニアム宣言を基にまとめられ、2015年まで実施されていました。

MDGsは、主に発展途上国の社会的な課題を解決するのが目的で、日本などの先進国は、公的資金によるODA(政府開発援助)を提供するというもの。

とはいえ、地球温暖化をもたらす温室効果ガスの排出は、先進国や中国などが中心で、発展途上国と切り分けて解決できる問題ではありません。そこで、全世界が一体になって課題に取り組むために3年の議論の末、SDGsが誕生したのです。

具体的な17の目標とは?

SDGsは、17の目標と169のターゲットで構成されています。それぞれの具体的な目標は、表のとおりです。目標は大きく、「社会(1〜6)」「経済(7〜12)」「環境(13〜15)」の3つの分野に分類され、さらに、それぞれの分野に関わる2つの目標(16〜17)が加わっています。

これら17の目標に対し、各目標を達成するための169のターゲットも設定されました。

例えば、目標の1は「貧困」です。世界には7億人を超える人達が、1日あたり1.9ドル未満の極度の貧困状態で暮らしているといいます。割合で見ると、世界の人々の10人に一人です。貧困が続けば経済活動が停滞し、政治への不満から紛争へと発展しかねません。さらに近年では、気候変動の影響を受けて、貧富の差も広がっていると言います。

この目標に対して、「2030年までに、それぞれの国の基準によりいろいろな面で「貧しい」とされる男性、女性、子どもの割合を少なくとも半分に減らす(ユニセフホームページより)」ことが掲げられています。

1~6 貧困、飢餓、衛生、教育など、人間らしく生きるための基本的な目標
7~12 働きがい、経済成長、格差など、より良い暮らしを実現するための目標
13~15 気候変動、海洋・陸上資源など、人・動物の暮らしや自然保護に関する目標
16~17 世界平和、国や企業や人々の協力を呼びかけることを目標

企業にとってのSDGs

SDGsは、政府や自治体の取組みだけではなく、民間企業でも積極的な取組みが行われています。これまでのように、消費者や地域社会から求められる製品やサービスを提供するだけでは、将来的な発展が難しい時代です。

そこで、企業価値を高め、持続可能性を追求するための手法として、SDGsの活用が注目を集めています。企業がSDGsを活用する意義としては次の4点が挙げられるでしょう。

イメージの向上 SDGsに取り組む企業は、社会的な信用性が高まり、企業イメージの高まりで多様な人材確保が可能になる。
社会課題への対応 社会が抱えるたくさんの課題を網羅しているSDGsに取り組むことは、社会貢献や地域での信頼獲得につながる。
生存戦略 SDGsに対応することは、ビジネスの取引条件になる可能性もあり、他社との差別化など経営戦略としても利用できる。
事業機会の創造 SDGsへの取組みをきっかけとして、新たな取引先の獲得、地域での新たな事業の創出などのイノベーションにつながる。

個人でも取り組めるSDGs

目標のスケールや種類の多さから、「持続可能な世界といっても、何をしたらいいの?」「SDGsの目標達成に、自分にできることはなんだろう?」と考えてしまいそうですね。

そこで、一人ひとりがすぐにでも取り組める事例の一部をご紹介します。すでに実行していることもたくさんあるのではないでしょうか。

レベル1

ソファに寝たままできること
・電源タップに差し込んでいる電気機器、使ってない時は完全に電源を切る
・気候変動や女性の権利についての投稿をSNSでシェア
・プリンタでの印刷をやめて、ノートにメモする

レベル2

家にいてもできること
・ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服は自然乾燥させる
・肉や魚を控えめに。肉の生産には植物よりも多くの資源が使われている

レベル3

家の外でできること
・大きさや形などが規格に「合わない」だけで捨てられてしまう「訳あり品」を買う
・カフェでは紙コップではなく、コーヒーカップを使う
・衣服や本、家具などで使わないものは寄付する

レベル4

職場でできること
・労働者としての自分の権利を知り、不平等と闘う
・職場で差別があったら、どんなものであれ声を上げる
・若者の相談相手になり、よりよい未来へと導く
・マイカー通勤ではなく、公共交通機関や自転車を使う

出典: 国際連合広報センター「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド」を参考に作成  https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/

住職が始めた貧困をなくす取組みとは!?

SDGsの目標1「貧困をなくそう」に該当する取組み事例をご紹介しましょう。2018年のグッドデザイン大賞も受賞した「おてらおやつクラブ」です。
おてらおやつクラブは、奈良県にある安養寺の住職・松島晴朗氏が代表理事を務める認定NPO法人で、2014年に活動がスタートしました。
全国にあるお寺の「おそなえもの」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、経済的に困難な家庭へ「おすそわけ」するのです。食品や果物、お菓子、日用品などを、活動に賛同する全国のお寺や、子どもをサポートする支援団体と協力しながら届けています。
こうした活動の意義とともに、「既存の組織・人・もの・習慣をつなぎ直すだけで機能する仕組みの美しさ」が高く評価され、グッドデザイン大賞も受賞しています。

出典:おてらおやつクラブ https://otera-oyatsu.club/

まとめ

SDGsの特徴は、先進国・発展途上国を問わず、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、全世界の人々が共通で取り組むことです。一人ひとりが、小さなことを積み上げていくことが、SDGsの目標達成につながるのです。いますぐ、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

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