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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2021年10月号掲載

免疫力を高めてストレスや病気に負けない体作りを!

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新型コロナウイルスなどの感染症に対抗する「免疫」が注目を集めています。免疫とは何か、免疫力を高めるにはどうしたらよいのかなど、細菌やウイルスから体を守ってくれる免疫について知っておきましょう。

そもそも免疫とは何?

人間は、皮膚や喉・鼻の粘膜などの殺菌作用で、ウイルスや細菌などの病原体から体を守っていますが、それでも病原体が体内に侵入してしまうことがあります。そんなときに活躍するのが「免疫細胞」です。

免疫とは、人の体に侵入してきたウイルスや細菌を攻撃し、体を守るシステムのこと。個人差はあるものの、人間なら誰もが持っているもので、免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。

【自然免疫】

体に侵入したウイルスや細菌といった病原体(抗原)に対し、防御するためのもの(抗体)を作って攻撃します。この繰り返しで、免疫を自然と獲得するのが自然免疫です。つまり、人が生まれつき持っている免疫機能ということもできます。

【獲得免疫】

人の体に、再度同じ病原体が侵入してきたときに、体内で記憶された免疫が働き、病原体を攻撃して排除するのが、獲得免疫です。一度感染した病原体(例えば風疹など)に対しては耐性がつくため、再び発症しにくくなるのは獲得免疫の働きによるものです。

免疫と自律神経の深い関係

このように、人が健康でいられるのは免疫のおかげですが、免疫の働き(免疫力)は、加齢やストレス、運動不足や偏った食生活などが原因で低下します。免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるだけでなく、がんなどの生活習慣病にかかるリスクが高くなってしまいます。

では、免疫力を保つためにはどうすればよいのでしょう? 免疫機能の中心になっているのは、血液中にある「白血球」です。そして、白血球の量や働きは“自律神経”と深く関わっていて、自律神経を整えることが、免疫力を高めるポイントになります。

自律神経は、内臓や血管など自分の意志では動かすことのできない部分を司るもので、「交感神経」と「副交感神経」の2つがあります。

仕事中や興奮状態のときに優位になるのが、交感神経です。交感神経が優位になると、アドレナリンが分泌して「顆粒球(かりゅうきゅう)」という白血球の一種が体内に増え、侵入してきた細菌などと戦います。ただ、殺菌に使われた活性酸素などが健康な細胞を破壊してしまうこともあり、がんや糖尿病、神経痛や不眠症など、さまざまな病気の原因となります。

一方、リラックスしているときや眠っているときに優位になるのが、副交感神経です。副交感神経が優位になると、体内では抗体を作って抗原と戦う、同じく白血球の一種である「リンパ球」が増えて免疫力は向上します。ただし、リンパ球が増えすぎると免疫が過剰に働き、アレルギーや喘息などの原因となることもあります。

健康な人であれば、白血球全体で、顆粒球とリンパ球の割合が一定のバランスを保っているのですが、このバランスが崩れると病気になる可能性が高まります。自律神経を整えることが、免疫力を保つ秘訣とも言えるでしょう。

自律神経を整えるにはストレス解消が有効

自律神経のバランスが崩れる要因の一つに、ストレスがあります。仕事や人間関係でイライラしたり、気分が落ち込んだりすると交感神経が優位になってストレスが溜まり、免疫力の低下に繋がります。

つまり、ストレスを溜め込まない生活習慣が、免疫力を正常な状態に保つためにも大切な要素と言えそうです。ストレス解消に効果的なのが運動や睡眠、入浴などです。

【適度な運動でリラックス】

筋トレやウォーキングなど、軽く汗をかく程度の適度な運動を取り入れましょう。週に5日以上運動する人は、風邪やインフルエンザに罹りにくいとも言われています。運動で筋肉量を増やし、基礎代謝が上がれば血流も良くなり、免疫細胞が活性化します。

基礎代謝を上げるなら、筋肉量の多い下半身を鍛えるのが効果的。スクワットやジョギングなどがおすすめです。ただし、あまりハードな運動をすると活性酸素が発生し、疲労のために免疫力が低下するとも言われます。無理のない範囲での運動がポイントです。

【良質な睡眠も効果的】

睡眠も大事です。免疫細胞は、寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きで強化されるため、なるべく7〜8時間程度の睡眠を確保しましょう。

また、寝る前のパソコンやスマートフォンの操作は要注意です。スマホなどの光で交感神経が優位となり、脳が昼間と勘違いし、眠りに誘うメラトニンというホルモンが減少する結果、眠りが浅くなり睡眠障害を引き起こすこともあります。

良質な睡眠を確保するためにも、寝る前2時間以内のスマホなどの操作は避けましょう。どうしても使う必要がある時は、画面をナイトモードにするか、ブルーライトカットのメガネを使うようにします。

さらに、スムーズに眠りに入るためには、入浴のタイミングも重要です。基本的には寝る1〜2時間前に、40度程度の熱さを感じない程度のぬるめのお風呂に、ゆったり入るのがおすすめです。こうすることで、副交感神経が優位になり、入浴で一度上がった体温が下がることで、スムーズな眠りに入ることができます。

“笑い”も免疫力アップに効果が!?

人間には、体内に侵入してきたウイルスなどを攻撃して退治する「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」が存在しています。
一説によると、その数は50億個とも言われ、活発に働くことで、感染症などにかかりにくくなります。
そのNK細胞ですが、「笑う」ことで活性化し免疫力が上がるそうです。
笑うと脳が興奮し、善玉ペプチドが大量に分泌されます。
これが血液によって全身に運ばれ、NK細胞の表面に付着し活性化、
ウイルスやがん細胞などの病気の原因を攻撃し、免疫力が高まるというわけです。
また、口角を上げて笑顔になるだけでもNK細胞が活性化し、免疫力が高まるといいます。
笑うことは免疫機能に福をもたらすようです。
誰もが持っている笑いのスイッチを利用して免疫力を高めましょう。

免疫力アップの鍵を握るのは腸!

口から入った食べ物は、腸を通じて消化・吸収されます。しかし、食べ物には体にとって有害なウイルスや細菌が付着していることもあるため、それらの異物を排除するためにも、腸の免疫細胞は大切な役割を担っています。腸には免疫に関わる大半の細胞が集まっていて、体内で最大の免疫器官と言われるほどです。

そのため、腸内の環境を整えて免疫細胞が活躍しやすくすることが大切になります。腸内には、多くの細菌が存在していますが、その種類には「善玉菌」「悪玉菌」、そのどちらでもない「日和見菌」の3つがあります。腸にとって良い働きをする「善玉菌」を増やすことが腸内環境を整えるポイントです。

バランスの良い食事が腸内環境を整える

腸内の細菌バランスを整え、免疫力の低下を防ぐにはバランスの取れた食生活が欠かせません。中でも、「発酵食品」や「食物繊維を多く含む食品」は、腸内環境を整えるのに効果があります。

【発酵食品】

乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品は、善玉菌を増やすのに最適な食べ物です。日本には味噌や納豆、漬物など伝統的にたくさんの発酵食品があります。さらに、ヨーグルト、チーズ、キムチなどさまざまな発酵食品を取り入れることで、効果的に善玉菌を増やすことができます。

【食物繊維】

善玉菌の栄養源になるのが、食物繊維です。善玉菌の増加に効果的なのが、ごぼうやオクラなどの野菜、わかめや昆布などの海藻類、キウイやアボカドなどの果物です。また、豆類やイモ類なども食物繊維を多く含んでいますので、積極的に取り入れましょう。さらに、大豆、玉ねぎ、バナナなどで善玉菌の栄養源になるオリゴ糖も摂取できます。

これまでみてきたように、免疫力を高めるためには、普段のちょっとした心がけが大事なようです。日頃の生活習慣に気をつけて、新型コロナウイルス感染症等に負けない健康な体作りをしていきましょう。

モーツァルトの音楽で免疫力アップ!?

ピアノ曲やヴァイオリン曲など高周波音を多く含む楽曲は、脳神経系を刺激して免疫系などの働きを
促進することで知られています。
中でも、モーツァルトの曲の多くには高周波数の音が含まれているため、音楽療法などにも
使われています。モーツァルトの曲を世界中で研究した結果、副交感神経を活性化することも
わかってきました。
ストレスの多い現代人は交感神経が優位になりがちで、自律神経のバランスが崩れて
免疫機能も低下しがちです。そういったときには、モーツァルトの音楽で副交感神経を刺激して、
交感神経が優位になりすぎないようにすることも効果がありそうです。

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