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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2024年5月号掲載

成績を安定させるためのキーマン作り

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「お断り」を減らす方法とは?

今回は、お客さまからの「お断りを減らす方法」についてお伝えします。それは「事前の反対処理」という方法です。少し上級編になりますが、この方法が私の成約率を大きく改善し、のちに連続挙績500週を達成するきっかけとなります。

ここで私たちの「業績」というものを分解すると、業績は「成約率×単価×面談数」で決まることが分かります。

この仕事をはじめた当時、行き先(面談数)の少なかった私はとにかく「成約率」を1%でも上げるためにはどうしたら良いかをいつも模索していました。

そしてご提案の末、お断りされたお客さまに勇気を持って「今回どうしてご契約いただけなかったのですか?」とお尋ねすることにしました。なかなかお答えいただきにくいこの質問に、「今後少しでも失敗を減らすためにアドバイスいただけませんか」と心を込めてお願いしたところ、多くのご意見をいただくことができました。

こうした活動を半年ほど繰り返していくうちに気付いたのです。お客さまに契約を断られる理由は大きく分けると5つぐらいに分類されるということに。その5つとは、以下の通りです。

「必要性を感じない(今じゃない)」
「保険料が高い」
「近しい知り合い(身内)から入っている」
「比較して決めたい」
「自分だけでは決められない」


当時、私は次のような断りの言葉を多くもらっていました。

「実は大学時代の先輩が保険の仕事をしていてその人から加入しているので、実は見直すのが難しいんですよね。せっかく提案してもらったのにごめんなさい。」と。

この言葉を聞く度に「これは本当の理由ではなく、そもそも提案書すら見てないのでは?」と感じることも多くありました。

そこで、初回面談の際にお話を聞くなかで、前記のような「断り」の可能性があると少しでも感じたら、その面談の最後に以下のように質問することとしました。

「最後に1つ質問させてください。もし仮に今よりも保険料が下がったり、また内容が良くなったとしても、『近しい知り合いから入っているので、そもそも見直すこと自体できない』と言って保険を見直そうとしない方も時々いらっしゃいますが、●●さんはいかがですか?」

すると多くの方から、「確かに知り合いから入ってるけど、自分の保険だし、そこは自分で判断するから大丈夫です」という主旨の返事をもらえたのです。

この言葉を最初にもらっておけば、提案した後に同様の断りは出ないようになります。私はこのような手法で、成約率を大きく上げることに成功しました。

皆さんがお客さまからよく言われる「断りの文句」にはどんなものがありますか?まずはそれを思い返した上で、自分で納得する「事前の反対処理」の言葉を準備しておけば、自信を持って募集活動ができると思います。

キーマンを増やすには?

この仕事を行う上で重要な「ご紹介」。
「ご紹介」を安定的にいただくには、「キーマン」の存在が鍵になります。さて、どのようにしたら、この「キーマン」発生の確率が上がるでしょうか。私はこの考え方を「事前の反対処理」で用いた「顧客に聴く」ことから導き出しました。

私は、ご成約に至った場合も、そうでなかった場合でも必ずご紹介依頼させていただきました。その中には当然、ご紹介いただける方といただけない方がいらっしゃいます。その際「なぜご紹介いただけたのか」、また「なぜご紹介いただけなかったのか」をお客さまに丁寧に聞いていくこととしました。

ここで大事なのは、お客さまの本音を聞き出すということです。ご紹介いただけなかった場合は、明確な理由がなく、「ただ何となく紹介しなかった」という方も多くいらっしゃいました。逆にご紹介いただけた方は、その理由が明確な場合がほとんどでした。そして私はこの「ご紹介いただけた理由」をメモに残し、週末に取りまとめを行っていました。

これを半年ほど続けた頃、紛れもない事実として気付いたことがありました。それは「ご紹介というのは、いくつかの要素が重なった時に多く発生している。決して偶然ではなく、狙って確率を上げることができる。」ということでした。

これが、私の提唱する「既契約マーケティング」誕生のきっかけです。

紹介が出やすくなるには3つの要素が必要となります。
それは「スキル」「伝える」「コミュニケーション」です。この3つの要素が重なるとお客さまは、コップの水が感情いっぱいに溢れ始め、私たちを応援しよう!という気持ちが高まっていきます。

こうしたお客さまを1人でも増やし、自分の周りで紹介が出やすい状況を作っていくことが既契約マーケティングの前提となる考え方です。面談を通して「スキル」「伝える」「コミュニケーション」の3つの要素をお客さまに感じ取っていただくこと。これこそが「キーマン」の発生確率を上げる方法なのです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
皆さんの日々の活動の気付きになればすご〜く嬉しいです。

PROFILE

高尾 益臣(たかお ますおみ)

株式会社カスタマーリンクス 
取締役会長

同社は、既存顧客からの追加や紹介を得意とする独自の理論「既契約マーケティング」×「オンライン相談」により、コロナ禍でも前年を上回る業績を継続。その手法が業界から大きな注目を浴びている。近著は『結果につながる既契約マーケティング』、DVD『新しい生活様式で紹介につながる既契約マーケティング』(いずれもセールス手帖社)。

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