マイナンバーによって変わる年金手続き
20歳になると誰もが手にする年金手帳。これが2022年(令和4年)4月から廃止されることになりました。
国民年金の制度がスタートしたのは1961年(昭和36年)のこと。国民年金の資格を得た人に、「国民年金手帳」が交付されていました。
当初は、厚生年金にも被保険者証があり、国民年金とは別になっていたのですが、1974年(昭和49年)11月、「年金手帳」に一元化されました。以後1996年(平成8年)までに資格を得た方は、オレンジ色の表紙の年金手帳を持っています。
1997年(平成9年)には、国民年金と厚生年金共通で用いる「基礎年金番号」が創設されました。それ以降に資格を得た方は、青色の表紙の年金手帳を持っています。
年金手帳は、一人ひとりの年金番号を通知するとともに、加入や脱退の記録をつけるためのものです。退職や結婚などで、年金の種別が変更になった際も記録されます。
しかし近年は、そうした加入や脱退、変更の記録はすべてシステムで管理しています。そのシステム上で用いられているのがマイナンバー(個人番号)です。マイナンバーは行政の効率化をはかるために導入されたものであり、年金の管理も例外ではありません。
これまで年金の手続きには、前述の「基礎年金番号」が必要でした。しかし今では、マイナンバーを用いた手続きに変わったため、基礎年金番号で個人を識別する必要がなくなっています。そのため、年金手帳が廃止されることになったのです。
2020年4月以降は、年金手帳が交付されなくなる代わりに、一人ひとりへ「基礎年金番号通知書」が送られてくるようになります。基礎年金番号を証明する必要がある場面では、この通知書を提示すればいいというわけです。
一方、すでに年金手帳をお持ちの方は、引き続き基礎年金番号を証明する書類として手帳を利用できます。ただし、紛失した場合は再交付されません。
年金手帳からシステムへ。管理の方法は変わっても、年金記録の大切さは変わりません。みなさんも、正しく記録されているか、確認するようにしましょう。