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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2022年4月号掲載

『家族を想って』

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優秀賞

埼玉県 さいたま市立浦和中学校
三学年 原 あいら(はら あいら)

私の父はガンだった。
私が幼稚園生の時に発見されたのだ。

その時は父自身も母もそこまで悪化し、命に関わるものだとは思っていなかったようだ。一人娘である私を両親は目に入れても痛くないというほど可愛がってくれていて闘病の辛いシーンは見せないようにしてくれていた。
だから父との幼い時の思い出は楽しいものばかりだ。

しかし私が小学生になってから、だんだんと父の病状は悪化していった。行事も母一人の参加が多くなった。
父は入退院を繰り返すようになっていき、私は毎日のように母と病院に通い、できるだけ多くの時間を家族皆で過ごした。

後になって知ったのだが、父は死亡保険に入っていなかった。
ガン保険には加入していたが、以前保険料の負担を減らしたいと死亡保険は解約してしまっていたのだ。だから、働き盛りの父の入院と治療費により家計は追い詰められていたのだ。
しかし娘にはそんな様子を欠片も見せず、私の教育費には惜しみなくお金を費やしてくれた。

発病から六年間の闘病生活の末、父は亡くなった。

先の通り治療には多額の費用がかかる。また副作用や入院で働くこともままならない。
そんな時に助けてくれるのが保険のはずだった。現に私の祖父は死亡保険に入っており、亡くなった際、祖母は費用面ではまったく苦労をしなかった。
死亡保険は普段からコツコツと保険料を払い続け、もしもの時に、その分遺族にお金が支払われるのが大まかな内容だろう。死亡保険という救いの手のない母が父のいなくなった家計を担うには、ガン保険だけでは足りなかった。
母は娘に心配はかけまいと私に明るく接してくれていたが、その裏で精神面だけでなく金銭面でも大変な苦労を強いられていたようだ。

家族が病気になり死への恐怖を感じた時、心には想像もつかない負荷がかかる。
自分でも気が付かないうちに体を蝕んでいく。
その極限状態に金銭という心配事が加わったら……。

父が亡くなって数年経った今になって、ようやく初めて母にあの頃の苦労を聞き、苦笑紛れに答えられると少し後悔してしまう。何も知らなかったのは仕方がないし、子供がそんな心配をすることもよくないとは思うけれど、もっと母を労わることができたならと思う。そして死亡保険を解約しないよう説得したかった。
もちろん日々の保険料という負担は大きいと思う。日々の生活で手一杯だ。
しかし、もしもの時に自らと家族の心の余裕を生み出し、残された家族が苦しむことが少なくなる。自身も病気やケガであれば治療に専念できるだろう。心配事はないに越したことはない。

また死亡保険だけではない。ガン保険も重要なのだと改めて感じた。
父はガン保険には入っていたが、それも大きな助けになっていたようだ。高額な治療を保険のおかげで受け続けることができたらしい。あまりにも高額な治療は保険なしにはなかなか手が出せず、受けることができていれば治っていたかもしれないという事例があったようだ。この点に関しては希望を与えてくれた保険に感謝したい。

私が将来家庭を持ち、子供ができたら死亡保険や医療保険、ガン保険には入りたいと思う。保険料を払うために多くのお金が必要で大変であるのは分かってはいるが、母の苦労を知っている身として、子供や家族に苦労をさせたくないと感じたからだ。
確かに保険は、保険料を払い続けても病気にならずに長生きしたら還元されることはない。しかし今は二人に一人がガンになる時代で、なにより病気になった時のあの負担というリスクを背負うならば、まだ安いものだと思えるようになった。

なってしまってからでは遅い。
『後の祭り』であるというけれど本当だと思った。
この苦労を背負う家族を減らすためにも保険という制度を活用していくことが大事だと思う。

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