公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会 Japan Association of Insurance and Financial Advisors

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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2022年6月号掲載

任意継続被保険者のやめ時

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先月号(2022年5月号)で、退職直後は国民健康保険に加入するより、健康保険の任意継続被保険者になるのが有利であるということがわかりました。任意継続被保険者になれるのは2年間ということでしたが、退職後に収入が減れば、2年目以降は国民健康保険のほうが保険料は安く済むかと思いますが、任意継続被保険者から国保に切り替えることは可能ですか。

可能です。従来は、一度任意継続被保険者になると、2年間は任意にやめることはできませんでしたが、2022年1月以降、任意に脱退することができるようになりました。したがって、国保のほうが保険料が安くなるタイミングで切り替えるのは適切なプランといえます。ただし、国保の保険料は前年の所得によって決まり毎年6月納付分から変更されますので、必ずしも退職後1年経てば保険料が安くなるというわけではありません。

従来は脱退できなかったが……

先月号で説明したとおり、定年退職などの場合、①任意継続被保険者の保険料は、退職時の給与が高い場合、現役時代(の2倍)よりも安くなること、②一方で国民健康保険の保険料は前年の所得に応じて決まるため、退職直後は高くなることから、通常は任意継続被保険者を選択したほうが有利です。

しかし、退職後に収入が減れば、収入が少なくなった年の翌年度は国民健康保険の保険料は安くなりますので、そうなれば国保に切り替えたほうが保険料は少なく済みます。

任意継続被保険者になれるのは最長で2年間ですが、従来はこの2年の間に任意に脱退することはできませんでした(保険料を納期限までに払わなかった場合は強制的に脱退させられるので、これを逆手にとって保険料を払わずに脱退するということは可能でした)。2022年1月にこの扱いが改められ、任意にやめることが可能になりました。したがって、国保の保険料が安くなるタイミングで国保に切り替えれば保険料の面からは有利であるということになります。

切替えのタイミングは?

具体的に説明しましょう。たとえば2022年9月末日に退職した場合、2022年の収入により2023年度分の国保の保険料が決まります。国保の保険料は当年度分(当年4月から翌年3月分)を当年6月から翌年3月の10回にわけて納付することになっていますので、2023年度分は2023年6月から2024年3月にかけて払います。

さて、2022年9月に退職し、2023年の収入が少なくなったとすれば、2024年度分の保険料は安くなります。したがって、2024年4月分(2024年6月の納付分)から保険料が安くなります。このタイミングで任意継続被保険者を任意にやめて国民健康保険の被保険者になればいいわけです。 今のケースでは、2022年9月退職から1年半過ぎた2024年4月が切替えのタイミングとなります。

一方、2022年3月に退職した場合も、同じように考えると、やはり2024年4月が切り替えのタイミングになります(この場合はちょうど2年後になります)。ただし、この場合は3月退職なので2022年分の収入がそれほど多くなく、退職1年後の2023年4月分以降、国保の保険料が安くなることが考えられます。

なお、退職金は国民健康保険の保険料を計算する上では所得にカウントされませんので、いくらもらっていても保険料には反映されません。

Profile

武田祐介

社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャル・プランナーの教育研修、教材作成、書籍編集の業務に長く従事し、2008年独立。武田祐介社会保険労務士事務所所長。生命保険各社で年金やFP受験対策の研修、セミナーの講師を務めている。

公式HP https://www.officetakeda.jp/

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