公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会 Japan Association of Insurance and Financial Advisors

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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2021年9月号掲載

相続税が確実にゼロですむ究極の相続

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「配偶者の税額軽減」――相続の際、配偶者が負担する相続税はこの措置により大きく減じられる。他の相続人に税負担が生じても、配偶者の納めるべき相続税はゼロで済むケースも少なくない。もし、相続人が配偶者一人だけなら……。

2分の1か1億6000万円

A 相続税には「配偶者の税額軽減」という規定があって、配偶者には相続税があまりかからないようになっている。

B 夫が死亡して妻が財産を引き継いだ場合、相続税が優遇されるということですか?

A そうだよ。多くの場合、夫が亡くなった場合、妻が財産を取得することになるだろうけど、その場合、妻が負担すべき相続税は大きく軽減されるんだ。

B 具体的にはどのくらい軽減されるのですか?

A 軽減される相続税の額は別掲のとおりとなっている。

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減額 = 相続税の総額 × A
相続税の課税価格の合計額 B

Aは次の①、②のうち少ないほうの金額
① B×配偶者の法定相続分(1億6000万円に満たないときは1億6000万円)
② 配偶者の取得した財産の価額(課税価格)

B よくわかりませんが……。

A たしかに、この規定は複雑でわかりにくい。かいつまんでいうと、次のとおりだ。
亡くなった人すなわち被相続人の配偶者が財産を相続した場合、配偶者が取得した財産の額が、①配偶者の法定相続分相当額、②1億6000万円のいずれか多いほうの額までであれば、配偶者は税負担はゼロで済む。

B 法定相続分か1億6000万円まで相続しても無税、ということですか。

A いずれか「多いほうまで」という点がポイントだよ。わかりやすいように具体例で説明しよう。夫が亡くなり相続人が妻と子どもの場合、妻の法定相続分は2分の1だ。この場合、妻が取得した財産が半分――法定相続分である2分の1――以下であれば、その額がいくらであっても配偶者には相続税の負担は生じない。

B その場合は、1億6000万円を超えていても無税ということですね。

A そういうこと。もちろん、残りを相続した子どもたちには相続税がかかるよ。

2回目の相続で高負担も

B 法定相続分よりも1億6000万円のほうが多くなるケースというのは?

A 遺産の額が1億6000万円以下であれば、妻が全財産を相続すれば――法定相続分を超えていても――相続税はかからない、ということだよ。相続税は取得した財産の額に応じて負担するので、子どもが相続しなければ子どもにはそもそも相続税は生じない。妻の分は「配偶者の税額軽減」でゼロになる。

B ということは、遺産が1億6000万円以下なら妻がすべて相続したほうがいいということですね、相続税の負担を考えると。

A たしかにそれはそのとおりだ。ただし、一般的に妻は死亡した夫と同年代なので、近い将来、もう1回相続――妻の相続が起こることになる。妻が最初の相続ですべての財産を相続していると2回目の相続で遺産が多くなるので相続税の負担が大きくなる。つまり、最終的に子どもの世代に財産が移るには2回の相続を経ることになるので、1回目の税負担をゼロで済まし2回目で多く負担するか、1回目に多く払って2回目は少なく済ますか、という問題なんだ。

相続人が妻一人なら……

B なるほど。1回目で子どもが多く相続すれば、2回目は、相続税は少なく済むということですね。

A そう、2回トータルでの税負担を考えることがたいせつだよ。ところで、配偶者の法定相続分は必ずしも2分の1とは限らない。

B 被相続人に子どもがいないケースですね。

A そう、たとえば、子どもがいなくて、相続人が妻と被相続人の兄弟姉妹の場合は、妻の法定相続分は4分の3だ。

B その場合は、遺産の4分の3まで妻が取得しても相続税はかからないというわけですね。

A そうだね。もし、相続人が妻1人だけ――亡くなった人に子どもがなく、親や祖父母もすでに死亡していて兄弟もいない――というケースは妻の法定相続分が1、すなわち100%になる。

B つまり、その場合――妻以外に身寄りがない場合は、妻がすべての遺産を引き継いで、しかも相続税はゼロですむ……「後妻業」の世界ですね。

A 小説やドラマの世界だけでなく、相続税ゼロで全財産を取得できることは現実にありえるんだ。

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