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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2023年11月号掲載

忘れがちな保険料控除 —— 年末調整

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今年も年末調整の時期がやってくる。年末調整ではさまざまな所得控除を反映して所得税額が計算されるが、そのためには会社に書類の提出が必要なものもある。生命保険料控除などはよく知られているが、あまりポピュラーでない忘れられがちな所得控除もある。

給与天引きされていない保険料

A 年末調整は、会社員が毎月の給与から源泉徴収された所得税を精算する手続きだ。年末に各社員の1年間の給与額が確定したところで、会社がそれぞれの正確な所得税額を算出して、源泉徴収された額との差額を精算する。

B 生命保険料の証明書を提出したりするんですよね。

A 所得税を計算する際にはさまざまな所得控除などがあって、年末調整では、そうした控除を反映させて税額が計算される。生命保険料を払った場合は生命保険料控除の対象になるけど、会社がその額を把握するために、証明書と書類を提出するんだ。

B なるほど……。

A 一方で、毎月の給料から引かれている健康保険料や厚生年金保険料は社会保険料控除の対象になるが、これらについては書類や証明書の提出は必要ない。もともと会社がその額を把握しているから、書類や証明書を提出しなくても税額計算の際に控除してくれる。

B そうすると、給与天引きされていない自分で払った保険料に限り、書類の届け出が必要ということですか。

A そういうことだね。生命保険料控除や地震保険料控除はよく知られているので書類の出し忘れはあまりないだろうけど、そのほかにも書類や証明書を提出すれば、年末調整で控除してくれるものもある。

B たとえば?

A 給与天引きではなく自分で納付した社会保険料などだよ。

B 社会保険料は給与天引きされてるんじゃないんですか?

A 自分の分の社会保険料 —— 健康保険料や厚生年金保険料はもちろん、給与から差し引かれている。そうではなく、たとえば大学生である子供の国民年金保険料を親が払ったようなケースだよ。

B 20歳以上なら学生でも国民年金の対象になるんですよね。

A そう、だから保険料を払う必要がある。もっとも、学生には納付猶予制度があって、その適用を受ければ納付しなくてもいいけど、適用を受けずに払う人もいる。その場合、親が払った子供の分の国民年金の保険料は、親の社会保険料控除の対象になるんだ。

B 自分の社会保険料だけでなく家族の分も控除の対象になるということですか。

A そういうことだよ。だから年末調整の際に会社に証明書と書類を出せば、それも反映して税額を計算してくれる。

B なるほど、それは忘れずに届け出なければ損ですね。

A 仮に年末調整で反映されなくても、確定申告すれば精算されることになるけど、わざわざ確定申告するのも手間がかかるからね。

イデコ掛金は本人分だけ

B 子供の国民年金保険料のほかにも対象になるものがありますか。

A 親の介護保険料を払った場合なども同様だよ。介護保険料は65歳以上の人は通常、年金から天引きされている。ただし、年金を受給していなければ天引きのしようがないから、毎月、納付書で納めたりすることになる。それを本人ではなく、会社員である子供が払った場合はやはり払った人の所得控除の対象になる。だから届け出れば年末調整で反映される。

B 65歳以上ならふつうは年金を受給していますよね。

A ふつう、はね。レアケースかもしれないけれど、65歳になっても、年金を繰下げ受給しようとして請求していないケースなどがあるよ。

B なるほど……。

A 同様に75歳以上の人が対象の後期高齢者医療制度の保険料を会社員である子供が払った場合も、払った子供の所得控除の対象になる。後期高齢者医療制度の保険料も通常、年金から天引きされるが、これは希望すれば天引きをやめて納付書での納付などに変更できる。

B そうすれば、子供が支払って所得控除の対象になる、ということですね。介護保険料も年金からの天引きをやめることができますか。

A 介護保険料は年金から天引きされているのであれば納付方法を変更することはできないよ。最後にもうひとつ。給与天引きではなく個人で払っているイデコの掛金も、国民年金基金連合会から送付される証明書を貼って書類を出せば、年末調整で控除される。イデコの掛金は小規模企業共済等掛金控除という所得控除の対象なんだ。ただし、これは本人分だけで家族の分は控除の対象にはならないよ。

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