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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2023年12月号掲載

税制改正の決まり方

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12月に入ると税制改正のニュースをよく目にするようになる。新年度に向け、法改正の動きが本格化するからだ。税制改正はどのような手順で行われるのか。そして、いつから変わるのか。

ふたつの「大綱(たいこう)」

A ちょっと意外に思うかもしれないけれど、税金に関する法律は毎年、必ず改正されている。いわば年中行事みたいなものなんだ。

B たしかに、コロコロ変わりますね。ついていくのがたいへんです。

A 税金は国や地方自治体の収入を賄うものなので、税制は国家予算などと表裏一体といえる。予算は4月からの新年度に向けて策定されるので、税制も新年度入りに合わせて毎年、見直される。

B それで12月ごろから改正に関していろいろと報道されるようになるんですね。

A そうだよ。毎年12月には「税制改正大綱」というものがとりまとめられる。

B 大綱というのは聞きなれない言葉ですが……。

A 広辞苑によれば「根本的な事柄、おおもと」という意味だよ。つまり税制改正大綱は改正の骨格を示すものなんだ。

B で、その内容がいろいろとニュースになる、と。ところで、その「大綱」は誰が決めるのですか。

A 大綱には2つあって、まず与党 —— 自民党と公明党が決定して12月の中旬ごろに発表する。それを受けて今度は財務省が国税について、総務省が地方税について大綱をつくり、政府として閣議決定するんだ。もっとも与党と政府では事前にすり合わせができていて、2つの大綱は通常、同じ内容なんだ。

B その大綱をみれば改正内容がわかるということですか。

A そうだよ。だから、どのような改正が行われるかに関心が高い税理士などの関係者は、この大綱に注目しているんだ。

原則、4月1日施行だが……

B 大綱が12月に決定されて、そのあとはどうなるのですか。

A 大綱をもとに財務省などで改正法案が作られる。所得税法や相続税法などの税法を改正するための法案だ。その法案が通常国会に提出され、通常3月末までに —— 新年度に間に合うように —— 成立して、4月1日に施行されることになる。

B 今年から来年に当てはめると、2023年12月に決定された大綱に基づいて、2024年1月からの国会に改正法案が提出されて3月末までに成立、4月に施行、という段取りですか。そうすると、いま取りざたされている改正事項は2024年4月から実施されるということですね。

A ところが必ずしもそうとは限らないんだ。というのは、実際に改正された事項がいつから適用されるか、というのはまた、別の話なんだ。

B どういうことですか?

A 3月中に法改正された項目が、必ずしも4月から適用されるとは限らないということだよ。一部は施行日自体が4月よりあとになることもあるし、施行日は4月1日であっても、たとえば「2025年1月以後適用する」などと規定されることもある。また、必ずしも法改正を要しない改正事項もある。たとえば政省令や通達の改正により取扱いを変えることがある。これも法律改正とは関係ないので、2024年度改正の大綱に盛られたことであってもたとえば「2024年1月から適用」などということもありえる。

B なるほど、ややこしいですね。

A 逆にいうと、2024年度改正ではなく、すでに2023年度までの税制改正で決まったことが2024年から適用されるものもある。

B それはチェックしておきたいですね。たとえばどのようなものがありますか。

すでに決まっている2024年改正事項

A 生命保険にとって関係が深い事項としては、相続税の改正がある。生前贈与加算といって、相続開始前3年以内に、死亡した人から贈与された財産は相続税の計算上、相続財産に加算することになっている。この「3年以内」の「7年以内」への法改正は2023年度税制改正で行われた。ただ、適用されるのは2023年4月からではなく、2024年1月以降の贈与、とされた。したがって、2023年中の贈与は依然として「3年以内」に限って加算すればいいことになる。

B なるほど、そういうことですか。

A ほかにも、NISAの全面的な刷新も2023年度の税制改正で決まったが、これも実際に新制度が始まるのは2024年1月からとされた。このように“時差”のある改正事項もあるので、改正内容だけでなく、いつから適用されるのかについても注目しておく必要があるよ。

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