公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会 Japan Association of Insurance and Financial Advisors

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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2022年3月号掲載

生前贈与規制は見送り― 令和4年度税制改正

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令和4年度税制改正の内容が明らかになった。個人に関するものでは、2021年12月末で期限切れになっていた「住宅取得等資金の贈与の非課税」と「住宅ローン控除」が延長される。ただし、限度額が縮小されるなど、恩恵は小さくなる。一方、取り沙汰されていた生前贈与を封じる改正は見送られた。

適用期限は延長されたが……

A 本欄でもこの間、何度か取り上げてきた「住宅取得等資金の贈与の非課税」の特例が延長されることになった。

B 祖父母や父母から住宅取得のための資金の贈与を受けた場合に一定金額まで非課税になるというものですね。適用期限はたしか2021年12月末までだったと……。

A そう。2021年12月末までの贈与が対象だったんだが、その期限が2年間延長されて2023年12月末までになりそうだ。

B 「なりそうだ」というと、そうならない可能性もある?

A 「なりそうだ」と言ったのは、まだ正式には決定していないからなんだ。延長するためには法改正が必要で、現在、国会で改正法案が審議されている。税法の改正は毎年行われているが、通常は3月末に改正法が成立し、4月1日に施行という段取りになる。現時点では、まだ改正法が国会を通っていないから「なりそうだ」と言ったけど、いまの国会情勢を考えるとほぼ確実に原案どおり可決されるだろうから、まず間違いなく延長されるといっていい。

B 改正法が4月1日施行、ということは2022年の1月1日から3月末までは対象外ということになりますか?

A そうではないよ。施行は4月1日でも、1月1日にさかのぼって適用されることになっている。だから、特例は途切れることなく2年間延長される。

B なるほど、それでは4月前に贈与しても安心ということですね。

A そうだね。ただし、単純に延長されるのではなく、非課税限度額が変更されるから注意が必要だよ。これまで —— 2021年12月末日までの贈与は、一定の省エネ住宅や耐震住宅の場合、1500万円までの贈与が非課税とされていたけど、2022年1月以降はこの非課税限度額が1000万円に引き下げられる。

B 厳しくなるんですね。

A そういうこと。住宅関連では、住宅ローン控除も延長されるけど、その内容はやはり厳しくなる。

B 住宅ローン控除は、住宅を購入する際にローンを組むと、減税されるというものですね。

A 毎年年末のローン残高の一定割合が所得税から控除される。税額そのものが減るので恩恵の高い制度だよ。これも適用期限は2021年12月末までだったが、4年間延長されて2025年12月末まで延長される。2022年までにした住宅購入等の契約が対象になる。

B ただ、内容は厳しいものになる……。

A これまでは毎年年末のローン残高の1%、たとえば残高が1000万円なら10万円が控除された。つまり所得税が10万円少なくて済む。2022年1月以降に新居に入居した場合は、この1%が0.7%に引き下げられる。

B 10万円の減税が7万円になる……。

A そのほか、対象となる住宅ローン残高の上限も段階的に引き下げられ、さらに適用を受けることができる人の所得制限も厳しくなる。

B 所得制限?

A 住宅ローン控除は、年間の所得が3000万円を超える人にはそもそも適用されないことになっていた。この基準が下がり、2000万円を超える人には適用されないことになる。

B ずいぶん厳しくなるんですね。

生前贈与規制は見送り

A ところで、本欄でもこの間取り上げてきた、生前贈与を封じ込める改正はとりあえず見送りとなった。

B 生前に贈与して相続税の節税を図ることを規制する改正ですね。

A 相続税の生前贈与加算を現在の過去3年分から10年分に延長することなどが取り沙汰されていたが、そういった改正は今回の改正案には盛り込まれていない。ただ、毎年度の税制改正の骨格が示される、与党の税制改正大綱では、「今後(中略)、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど(中略)、本格的な検討を進める」と書かれていて、来年度以降の税制改正で手が付けられる可能性があるよ。

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